40年ぶりに会う人など、かつての職場仲間で作る愛知のOB会が2年前、津南に来てくれた。その日は10月23日。あの中越大震災の日。「津南のコシヒカリが美味しいと、いっぱい買い込んで、バスに積んで宿泊先のグリーンピア津南に向かう途中で、地震に遭いました。でもバスの揺れで地震には気がつかず、到着すると真っ暗。グリーンピアの皆さんに良くしてもらい、みんな、思い出に残る旅だったと話しています」。今冬の大雪の時も、激励の電話や手紙をくれた。「嬉しいですね。これも人と人との縁、出会いですね」。
『人との出会いが人生』、これがモットー。商売柄、さまざまな人との出会いがある。特に夏休みの8月は、思いがけない人が訪ねてくる。先日、『おーい、おかみはいるか』とお店に入ってきたのは津南高校の校長だった人。あるいは県外の会社社長が、『おれにも、なにか言葉を書いてくれ。社長室に貼っておくから』と、書を求めた人も。愛知で勤務時代、先輩の父が書家であり、その人に師事した書が、いま役立っている。季節に応じた言葉、モットーなどを和紙に書き、店内にさりげなくディスプレーの一つとして飾っている。「わざわざ会いに来てくださるなんて、本当に嬉しいです。元気になりますね。人との出会いは財産です」。
自宅近くに畑を借り、野菜など栽培している。「旬のものを、旬のうちに食べる、これが健康の秘訣です。楽しいですよ、野菜作りは」。畑に一緒に行くのは1歳の孫・真申(まこ)ちゃん。
文通で結ばれた好月2代目・健一社長、3代目も育っている。「まごごろ」。自分の生きた方、お店のモットーでもある。元気いっぱいの笑顔で「生涯現役」だ。