行き交う人で混み合う東京駅。3年前、この東京駅で、ドラマが起こった。東京に本社がある商社系の大阪支社に勤務していた良枝さん。その年の1月、社員研修で東京へ。初めての東京駅。同僚に携帯電話などが入ったバッグを預け、レストルームへ。満員だったため、別の場所を探し、出て来た時は、「ここは何処」だった。同僚らの姿はなく、連絡手段もなく、途方にくれていた。迷子になってしまった。
その時、ドラマが始まった。「主人(努さん)とパッと目が合ったんです。この人ならと、駅の出口を聞きました。主人は30分くらい一緒に探してくれました。ちょうど東京出張に来ていたようです。主人が、『友だちの携帯に電話したら』と言ってくれ、なんとか無事に友だちと会うことができました」。その日の夜、お礼の電話を入れ、1時間余り話した。最後に、努さんから『今日はとても楽しかったです。明日も電話していいですか』と。
ドラマはさらに続く。その日から毎日、電話で話した。2週間後、『仕事で大阪に行くから、会えますか』。
「全然、違和感がありませんでした。毎日、電話で話していましたから」。津南と大阪。遠距離恋愛は、その距離を越えて、2人の思いを膨らませた。毎日のホットライン、月に一度だけのデート。「毎日話していましたから、会っても本当に自然でした」。自然の時間の流れで機が熟し、2年前の8月結婚。「津南の暮らしは楽しいですね」。町商工会女性部、地元バレーチーム、よさいこいソーランなどに積極参加。高校時代、チアリーダーを務めた。ミニチュアダックスのポン太、ケン太も家族の一員。実家は大阪・八尾市。現在同社の経理担当。「私はお風呂が大好きなんです。リフレッシュできますね」。