今年6月初め、朝、仕事に出かける時、両親に告げた。「今日、入籍するから」。「えーっ」。驚く両親。その1ヶ月半後の7月末には、津南町の住人となった。「えーっ」と両親が驚くことは、小さい頃から時々あり、「私の変な行動には、親は慣れています」。高校時代、妹と吉本のお笑い芸人の追っかけをしたり、熱烈なファンだったジュビロ磐田の応援に、静岡まで毎週通ったりなど、「母の血筋でしょうか」という行動派だ。
7月末、津南の住人となった数日後、夫の父が監督を務めるソフトボールチームの試合に、いきなり出場。「嬉しかったですね。小さな頃から父と野球をやっていたので、いつかは試合に出たいと思っていました。お父さんのおかげで、念願が叶いました」。実家は東京ドームのすぐ近くの文京区。後楽園球場の時代から、球場周辺が遊び場だった。「父から野球の特訓を受けていました。男の子に生まれて、野球をやってみたかったですね」。名前の「亜希子」は、「巨人の長島監督の奥さんの名前を、父がつけたんです」。
東京で知り合い、結婚した夫・義人さん。「結婚式は挙げていません。形式的なことは止めようと、2人で決めました。実は費用がなかったんです」。6月初めの突然の入籍は、津南での暮しの拠点、町営住宅に入居応募するため。「入籍、結婚は1年先と考えていたんです」。マイペースな2人は、共に自分の世界を持つ。高校からサッカークラブに入り、7年ほど取り組む。「メンバーが少なく、まだ一度も試合をしたことがありません。またサッカーしたいですね」。
昨年2月、初めて津南を訪れ、スキー初挑戦。「あまくないですね」。今年、津南町テニス協会に入り、中学以来の練習に励む。「田舎暮らしを求めていました。窓から山が見えると、心が落ち着きますね」。