「『今日は何かあるの』と聞かれるなど、きものを着るということが、特別な日になってしまいました。普段の暮らしの中にきものがある、そんな地域になってほしいですね」…一歩店に入ると反物やリサイクルのきもの、端切れ、雑貨など「和」の雰囲気でいっぱい。きものの委託販売を中心にした店・雪月花を田沢本村に開いて丸2年。十日町市での旧店時代を含めると9年目になる。
「『しつけ』や『襟を正す』などの言葉は、きものと関係しているんですよね。そんな日本文化の和が、今ではよそ行きの感じになってしまっています。きものは何十年も前のも着られるし、サイズもそれほど気にすることない。いざという時、洋服のように、あれにしようか、これじゃちょっとへんなどと選ぶのに苦労することもないと思うんです」
…東京でのOL時代、自分できものを着れるようにと、きもの学院に通った。「あの頃は本当にきものが高嶺の花で、リサイクルショップもなく、ほしかったけど手が出なかったのが本当のところです。でもこうして自分で委託販売を行ってみて、だれもが手にしていただけるようになったと思います。パッチワーク用の端切れもありますので、ぜひ和の世界を楽しんでほしいと思います」
…かといって、きものに執着しているわけでもない。「今日はGパンにしようか、スカートにしようかとか、そんな中のひとつにきものがあるんです。丸洗いできるものもあり、決して特別にはしていません」 …きものを着てくつろげる場をとカフェコーナーを設け、ワンコイン着付け教室も開いている。
「日常の場にきものがある、そんなお手伝いをしていきたいですね」