…切り立った柱状節理の岸壁。ところどころに残雪、そしてへばりつくように木が根を張っている。新緑の芽が伸び始めている。「紅葉期の人気がダントツですが、この新緑の季節もいいんですよ。今年は少雪の影響で、例年より1ヵ月余り早く、先月23日にオープンしました。ぜひ足を運んでみてください」
…落石死亡事故がきっかけで遊歩道が全面通行止めとなり、渓谷トンネルとして再出発したのが平成8年10月だった。「いやぁ、よくこんなトンネルを作ったものだと今更ながら驚きますね。でも行楽客からは『外に出たい』の声ですね。当然だとは思います。が、いつも落石がある状態。トンネル内から見られるだけでもよしとしなくっちゃ」
…今夏は大地の芸術祭の作品がトンネル内に展示される計画。
「トンネル内での芸術作品の展示はいいと思いますね。これまでも写真展示や音楽演奏などもしてきましたが、今後も地域の美術愛好家の作品展示など、どんどんしていきたい。ぜひ話を持ってきてほしいです」
…今も忘れられないトンネル内での地鳴りの音。「中越大地震の2度目の揺れの時、トンネル内にいたんですよ。ドーンという地鳴り。すごい音だった。着ている服がブルブルっと震えたんだから」
…時折、トンネル内でコウモリやテンなどが出迎える。見晴所からはカモシカと対面も。運がよければ国指定天然記念物 であるイヌワシにも会える。「まず清津峡をスタート地点に、秋山郷など地域の観光地を巡ってほしいですね。いい所はいっぱいありますから。多くの人から妻有の四季を堪能してもらいたいです」