「炭にこだわっていきたい。年代を越えた交流のスポットになればありがたいですね」。黒々とした柱、昔懐かしい階段箪笥。昭和初期のアンティークな雰囲気を醸し出す津南町大割野の「蔵」。途絶えていた津南町の交流スポットに、再び火をともした。「暖房は薪ストーブ、木にこだわりました。雰囲気の違いから、お客さんの会話も弾むようです」
旧姓は「石原」。町内に一軒だけだった。そして「早坂」。この苗字も一軒だけ。「不思議なめぐり合わせです。しかも私は3姉妹の末っ子で、私の子どもも3人とも女の子なんです。姉の子も3人とも女の子で、女系家族なんですね」 夫・義明さん(40)は山形県出身。バスの運転手だが、休日には炭づくりに長野・上田市に通うほどの熱の入れようだ。
「今はエコの時代。安全で新鮮なものが求められていますね。炭にはたくさんの種類のミネラルが含まれていて、お店でも自宅でも、ご飯を炊くときに使ったり、焼き鳥に使ったり、水の中に入れたり、様々に活用しています。フクロウや手提げバッグなど、家族自作のエコクラフトも展示していますよ」
お客の要望で、最近はランチやパフェなどメニューも増やしている。「笑い話ですけど、最初、コーヒーを出すのにも手が震えて大変だったんです。バス待ちのお年寄りも、お気軽にどうぞ」