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2007年12月の妻有に生きる


過去の妻有に生きる
吉田智世さん 22歳 グループホームひまわり
「介護の仕事は、本当に自分に合っていると思っています。一生というか、力の続く限り続けていきたいです」出身は旧守門村。 長岡市の介護専門学 校で学んだ後、現在 の職場に。「入居者は人生の大先輩。それぞれ性格も違いますから、個性を大切にしながら生活できるよう接していくようにしています」 同グループホーム は軽い痴呆症の高齢 者15人余りが共同生 活の形で入居してい る。介護員は、入居 者の自立手助 けをしている。
 

 「家庭的な雰囲気がグループホームのいいところでしょう。私も家族の一員のつもりで取り組んでいます」。母親が登山好き。 小学生時代から、夏 休みともなれば魚沼地方 の山々に母に連れられて 登っていた。「当時はいやいや行ったようなながらついて行ったような気がします。今は逆に、あの登山の疲れが心地よくて、自分から『どこか連れて行って』と頼んでいるくらいです」
  

 昨年の夏は、母らと立 山連峰1泊の山行に。「山はリフレッシュできますよね。これまで一番、心に残っているのは、高校3年の夏休みに、家族で登った白馬岳ですね。とってもよかったです」。 今年、チャンスがあれ ば、その母親と、子ども の時に連れて行ってもら った尾瀬に、もう一度行 きたいという。「山に登って、好きな温泉に入る、というのが最高ですね。結構、温泉めぐりもしているんですよ」
介護の仕事5 年間でチャレン ジできる介護支援専門員 の資格取得をめざす。「入居者に、どういう介護が必要かを提供できるようになりたいです」
(2007.12.29)

涌井チエさん 82歳 津南町相吉
 「とっても喜んでもらえる。収穫体験には毎年のように来る人もいるので、たまには別のものを作ろうとすると『おばあちゃんのチマキが何よりの楽しみ。これがないと何しに来たのか分からない』と言われるほどなんです」夏場、近くの山から家族が笹やスゲを採ってくる。それを冬場、いつでもチマキをつくれるよう準備しておく。「作るのは2千個ほどになるんだ。それでも今年は足りなくなったほど。いっぱいつくって冷凍保存しておいて、お客さんが着たら、お土産として出すんだ。時々、『今食べないで、家に持っていくよ』という人も多いな」


  5月末から始まるアスパラ収穫体験。歴代の県副知事さんや新潟市長の奥さん、北野大さんなどが訪れる。それに農業体験の大学生など。もう20年余りの付き合いになる人も。「多いときは一度に30人もの人が来る。どんなに偉い人でも関係ない。我が家に来たら、後片付けなど自分でしてもらいます」チマキは子どもの時から家の手伝いとしてつくっていた。笹の葉をくるりと巻いてもち米を詰め、もう1枚の笹の葉で包んでスゲで結ぶ。まるで魔法のような手さばきだ。百個ほどを2時間でつくってしまう。
(2007.12.21)

桑原寛和さん 32歳 津南町貝坂

 「すごい勉強になった。それに雪国でも大きな違いはなかったという自信も持つことが出来た。実行してよかった」。津南町内5チーム
 の5〜6年生が、合同で初の埼玉遠征を実施。試合を通して関東のチームと交流した。その5年チームの監督を務めた。「試合には負けたけど予想していたよりも接戦だった。『そんなに大きな違いはない』、そう思った。子どもたちも、自信を持つことができたと思う」
 

 合同チーム遠征は野球スポ少初の試みだった。「5、6年生全員を対象に募集し、参加可能な子どもたちで編成したんだ。子どもたちは修学旅行気分だったようだが、よい思い出になったと思う」合同チームは、実は今後のことを考えてのことだった。「町内各チームとも人数不足で、いずれ合同チームとして対応していかなければならないかもしれない。『津南チーム』として対外試合をしていく、そうした足がかりの意味もあったんだ」
 

 野球は小学4年の時から。現在、監督を務める下船渡レッドイーグルスが出身チーム。中学、高校と野球を続けた。「高卒後、すぐに今の仕事に就いた。と同時に下船渡のコーチに。野球漬けの人生ですね」
 
(2007.12.15)

福原幸子さん 69歳 津南町外丸本村
 「おばあちゃん、茶飲み話の笑顔が素敵だよ。元気をつけてね」
 家に閉じこもり気味な地域の高齢者に参加を呼びかけ開い ている「生き生きサロン」、そのボランティア団体・じろばたの会の代表を務めている。「月1回ほどのペースで、地区公民館で健康体操などを交えたお茶のみ会を開いているんです。時々、温泉に入るバスハイクや保育園児との交流会も開くんです。その時のお年寄りの喜びようったらないですね。そんな表情を見る時このボラに携わっていてよかったって思います」今年は9日にクリスマス会と忘年会を開催。来年3月の再会を誓い合った。
 

 「今は、近所づきあいも希薄になっているので、地域づきあいの意味もあります。話すことが何よりの健康になっていますね」同会では古紙回収のリサイクル事業も手がけ、今年の妻有SC環境大賞・環境賞を受賞した。「地域の協力のお陰です。回収作業ではトラックを提供する人も出て、本当に助かっています。古紙奨励金が、お年寄りのクリスマスプレゼントになったりしているんですよ」
 

 野菜づくりや伝統料理などにも取り組む。無印良品キャンプ場での「山菜料理教室」もそんな一環でのこと。「キャンプに訪れた人のための様々な教室の中のひとつなんですが、『あじさいの会』というグループで取り組んでいます。笹団子やチマキなどが主ですが、あのキャンプ場のさわやかさがいいですね」
 
(2007.12.07)

保坂一郎さん 52歳 中魚漁協
  直径4_ほどの小 さなオレンジ色の粒。 サケの卵だ。受精後、20日ほどで動き始め る。稚魚への一歩だ。「ふ化したばかりの稚魚が動き始めると、うれしいね。赤ちゃんがよちよち歩きを始めた感じと一緒だよ」本格的に飼育の仕 事に就いて4年ほど。 人手不足のなか、手 伝い程度に始めたこ とが、責任あるポス トに就くことに。「まるで初めてのことだらけだったので、覚えるのに大変だった。決まった時間に餌を与えるなどパターンは年中一緒だが病気が出たり水温の変化で生育が違ったりと思った通りに行かないのが生き物を扱う難しいところ」
 

 10月上旬からサク ラマス30万粒、サケ 45万粒、イワナ3万粒と 人工授精が続く。「ここのところ大雪だったり小雪だったりと冬期間の気候の変化が激しくて、稚魚に影響が出たりしている。人間の子育てと一緒だよ。手をかけなければならない時がある」小学校などで、授業の 一環としてふ化場を訪れ るクラスが時々ある。「大歓迎、どんどん来てもらいたいね。わしらが子どもの頃は川へ遊びによく行ったものだが、今は自然に触れることが少なくなっている。実際に魚と触れることにより、河川環境への関心も高まっていくのは確かなんだが」
    

 「若い世代は川から離れてしまっているが、川を汚さないようになど、大事なことは言い続けたい」
(2007.12.03)


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