1枚の色紙に色とりどりの和紙が貼られ、温かみのある絵が浮き出る。ちぎり絵ならではの表現だ。「もともと細かい手仕事が好きだったので、取り組んでいます。ボケ防止にもなると思って。飾ると素敵です」
長生学園では、ちぎり絵に参加している人は20人余り。それぞれが空いた時間を活用して作品作りに精を出している。
「農作業に取り組んでいる人も多く、冬場だけ参加する人も結構います。それでいいんです、自分のペースでやっていくということが大事だと思います。時々、年賀状にも貼って出すこともあるのですが、喜ばれますね」もう11月も下旬。年賀が気になる、そんな時期を迎えている。
「初心者でも下絵を元に作ることができるセットが販売されていますし、慣れてくれば、すべて自分で創作できますから、奥が深いです。高齢者でも取り組めるのがいいですね」
農業に励んできたことから、野菜をうまく使っての漬物など、アイデア豊かな手づくり食品も。「今の時期では、ネギの葉を使ったキムチ風漬物ですね。本場の唐辛子を使い、余った野菜など、20種類以上を刻み込んで作るんです。家族から好評ですし、友だちなどにも分けてあげますが、とっても喜んでもらえます。福神漬けや野菜の佃煮、キャラブキなど、1年中作っていますよ」
娘との会話で忘れられない一言がある。「私、趣味がないからと言ったら、娘が『自分が楽しんで作って人を喜ばせてる漬物、これは最高の趣味だよ』って。それからは大威張りで作っています。漬物もちぎり絵も、手づくりの温もりを伝えていきたいです」