秋山郷など高冷地で米が取れなかった冷害の年・1993年(平成5年)。記録表の6月から8月、晴れの赤丸は数えるほど。「凶作の年」を記録している。「あの年はひどかった。これを見ても、夏場、赤丸がほとんどない。赤は晴れ、黄色が曇り、雨が水色。この色合いを見ても、あの年は赤が少なかった。こうして記録すると、その年の傾向が分かる」。
もらったカレンダーの裏に一年間の気象記録表が付いていた。24年前の昭和59年、なんとなく元日から記録し始めた。以降、毎年記録。いつのまにか24年が経った。「今年は順調だ。秋、これだけ晴れが続くのは珍い。普通は秋の長雨が農家を苦しめるんだが。今年は米のできも良いのでは」
70eの米作り。全国の知人などに直売のほか、地元のニュー・グリーンピア津南に納める。こだわりの減農薬で、安心・安全の米を提供。畑ではアスパラ、カボチャ、大豆、ダイコン、サツマイモなど多彩。「これを米を買ってくれている人に送る。みんな喜んでくれる。農家にとって天気具合が一番大事。過去の記録が役立つ。財産だね」
42年間、地元瀧澤酒造で酒造りに関わる。今も借り出され、特に樽酒の菰作りが村山さんしかできない。今年も出番。「最初の頃は半日か買ったが、今は2時間くらい。自分でワラを用意する。今年も忙しくなりそうだ」