79歳まで現役の産婆・助産師を務めた母・山崎タケノさんと街を散歩中、『あの時はお世話になりました』と母に声がかかった場面が忘れられない。「今の私の原体験でしょうか。この道に進んだのも母の影響が大きいです。あの誕生の一瞬、それまでの緊張がほぐれる、言葉では言い難い感動です」
昭和56年4月、新卒助産師で上村病院、県立十日町病院と勤務。今年6月、県立六日町病院を最後に26年3ヵ月の勤務助産師を辞めた。3千余の出産に立ち会った。7月から津南地域で初の開業助産師となり、活動している。「妊娠・出産情報は専門雑誌など有り余るほどありますが、少子化などで現実感は乏しいです。そのため本にない事が起きると、パニックになる若いお母さんが結構います」
出産後、地元自治体が希望に応じて助産師訪問を実施。先日、町からの連絡を受け、産後まもない親子を訪ねた。「この制度は市町村によって違いますが津南町は1回訪問。赤ちゃんと一緒に頑張るお母さんを誉めることを心がけています。少しでも自信を持つことが大切。若い人や外国から嫁いだ女性など、私自身が改めて教えられている感じです」
モットーは『なんでも相談できる近所のおばちゃん』。今年、親にとって難しい性教育の教育者資格を取る方針。子育て全般を応援する。「教育や保育の環境など、子どもを取り巻くさまざまな面での見直しが行われています。出産は命のスタート。この分野でも母乳の大切さ、母子のあり方など見直しが多く出ています。こうした分野で、何かお役に立てればと思っています。なんでも、お気軽にご相談下さい」。