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2007年08月の妻有に生きる


過去の妻有に生きる
大倉アサ子さん 60歳 津南町小下里
「この仕事に就いた当時、雪がいっぱいの冬にも上郷逆巻から歩いて日出山や出浦などにも行きましたね。でもそれが当たり前だったので、大変だとか思いませんでした」津南町で在宅福祉事業の草分けとなる「老人家庭奉仕員」が誕生したのが昭和44年。その任命第1号だった。「町内でも私一人だけ。しかも今のように介護や福祉講習会があるわけでもなく、すべて手探りでした。だから、着替えひとつをとっても、その家のやり方を聞いて、その通りにしていましたね」
 

 山間地の農家で、寝ている高齢者の部屋は、薄暗くて狭く、小さい障子窓があるだけというのが大半。「今でこそバリアフリーや風呂にはシャワーなどを付けた家が大半ですが、当時は昔ながらの民家。狭い風呂場にマットを敷き、そこに寝かせて入浴介護などをしていましたね。今では考えられないようなことです」、「人の力」がすべてだった。
 

 「ほとんど床について寝ている高齢者ですからね。時々行って話し相手になると喜んでくれました。時々、口説き話を聞く事もありましたが、聞いてくれることが大事なことだったと思います。『おれの所に来てくれるのはお前だけ。今度、いつ来てくれる』と言われると、また来なくっちゃ、と思いましたね」町社会福祉協議会や恵福園・在宅福祉支援センターなど部署は変わったが、訪問介護一筋38年。
 
(2007.08.31)

村山敏夫さん 34歳 上村病院ゆあーず
「人が健康で暮らしていきたいという願い、少なくともその関係する仕事に就くことができ、本当にやりがいを感じていますね」。ハンマー投げの世界的選手、室伏幸治選手を輩出した中京大体育学部で学び、さらに現在の職に就いてから新潟大の工学修士を2年かけて取得した。「なぜ工学かということなんですが、体を動かした後、計測機器によるデータから、どの部分が弱っているかなどが分かるんですね。それにより、個々の健康プログラムが作れるということなんです。何より、医師がきちんと診断してくれますから安心です」
 

 健康増進プログラムの基本はウォーキングとファスティング(断食)、デトックス(解 毒)。それに温泉をプラス。「歩く全身運動で弱った筋肉を活性化させ、汗をかいて体内の老化物を出し、適切な食事と温泉によるリラックス効果で健康な体を作るということですね。リゾートホテルなどとの連携で、都会の人たちを呼び込むこともでき、健康の里づくりに結び付けたいです」小学校時代のクロカンスキーの実績から、中学、高校、大学とスキーのジャンプに取り組んだ。
 

 「ジャンプが下手だったんでしょうね、鎖骨、顔面、骨盤など5箇所を骨折しました。それでも、仲間がいたから止めようとは思わなかったですね。高校2年の時、春季大会で優勝したのが最高の成績でした」病院併設型の予防医療を開始して7年。県内初の取り組みだった。津南地域でもクアハウス津南など、温泉利用の健康づくりが活発化しています。『健康の里』としてビジネス化していきたいですね。そうできる地域でもあります」
(2007.08.25)

高橋泉さん 50歳 開業助産師 津南町船山
  79歳まで現役の産婆・助産師を務めた母・山崎タケノさんと街を散歩中、『あの時はお世話になりました』と母に声がかかった場面が忘れられない。「今の私の原体験でしょうか。この道に進んだのも母の影響が大きいです。あの誕生の一瞬、それまでの緊張がほぐれる、言葉では言い難い感動です」
  

 昭和56年4月、新卒助産師で上村病院、県立十日町病院と勤務。今年6月、県立六日町病院を最後に26年3ヵ月の勤務助産師を辞めた。3千余の出産に立ち会った。7月から津南地域で初の開業助産師となり、活動している。「妊娠・出産情報は専門雑誌など有り余るほどありますが、少子化などで現実感は乏しいです。そのため本にない事が起きると、パニックになる若いお母さんが結構います」
 

 出産後、地元自治体が希望に応じて助産師訪問を実施。先日、町からの連絡を受け、産後まもない親子を訪ねた。「この制度は市町村によって違いますが津南町は1回訪問。赤ちゃんと一緒に頑張るお母さんを誉めることを心がけています。少しでも自信を持つことが大切。若い人や外国から嫁いだ女性など、私自身が改めて教えられている感じです」
  

 モットーは『なんでも相談できる近所のおばちゃん』。今年、親にとって難しい性教育の教育者資格を取る方針。子育て全般を応援する。「教育や保育の環境など、子どもを取り巻くさまざまな面での見直しが行われています。出産は命のスタート。この分野でも母乳の大切さ、母子のあり方など見直しが多く出ています。こうした分野で、何かお役に立てればと思っています。なんでも、お気軽にご相談下さい」。
(2007.08.17)

山田かおり さん 20歳 津南町清水川原 
 世界の人口が50億人を突破した1987年(昭和62年)生まれ。歌謡曲では近藤真彦の「愚か者」がヒット。書籍では俵万智の「サラダ記念日」がベストセラーになった。「二十歳ですか。どくに実感はないですね。参院選では、初めて投票券を手にしたのですが、仕事が忙しく行きそびれてしまいました。政治への関心はまだちょっと濃いですね」。


 高卒後、地元の現在の職場に。「東京とか、都会に行く気はぜんぜんありませんでした。苦手なんです、雑踏が」高校時代、野球部のマネージャーを務めた。社会人となった今も、野球のマネージャーにあこがれる。「休日や仕事時間の関係でできないのですが、時間ができたら社会人野球のマネージャーをやりたいです。裏方で、野球部員のために手助けをすることが好きなんです」
 

 最近、若者主体のイベントがマウンテンパークなどで開かれている。「なかなか時間が取れなくて参加できないのですが、若者が集えるイベントはいいですね。どんどん開いて津南を盛り上げていってほしいですね。陰ながら応援したいと思っています。それにやっぱり地元が大事。商店街が明るく元気であってほしいです」
 

 家は秋山郷入り口。「好きな色は緑。もちろん、秋山郷の自然も大好きです。秋は行楽客の車でごった返しますが、誰も来ないよりいいですよね。津南の緑、いいですね」
 
(2007.08.10)

藤ノ木美知子さん 56歳 津南町太田新田
 子どもたちは夏休みに入り、ウキウキ気分。お盆休みも近づき、車の通行も多くなっている。「先ずはドライバーの安全意識が第一。交通事故は、決して自分だけの問題ではないことをしっかり自覚してほしいですね」。十日町地区交通安全協会津南支部の女性部員となって6年。主に町内の保育園などを巡って安全指導に努めている。
 

 今月1日から夏の交通事故防止運動が展開中だ。「仕事の関係で十日町市まで往復することが多いのですが、そこで感じることは、眠くなってきた時、余り我慢せずに少し休むことが大切ではないかということです。眠いと判断や思考が低下するはず。危険も増すということです。こうした運動期間中に、自分なりに注意の確認をしてほしいですね」
 

 町の結婚相談員も務めている。今年で3年目だ。「世話好きに見えるのでしょうか。すぐに役を頼まれてしまって。どれも力不足なのに、です。少しでも地域の役に立てることができるならいいのですが」年に数回開く独身男女のイベントの手伝いも行っている。「人と人との縁をとりもつことの難しさを実感しています。地道に続けるしかないですね。ただ、イベントなどがある時は、尻込みしないで出てきてほしいです」
 
(2007.08.03)


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