暖冬ながらも一面銀世界の津南。再び、この地に生活の拠点を構える。
「長岡市など近くで仕事をしていたので、全く違和感はないけど、でも河岸段丘や秋山郷など自然の深さや大きさを改めて実感します」最近、町内を一巡した。高校時代に足を運んだことのない集落が至るところに。「知らない所がいっぱいです。十日町市もエリアなので、その広さを一段と感じています。結構、お年寄り好きなので、地元の人といっぱい触れ合いたい。そして地元の同業者とも仲よくやっていきたいです」
まだ社会人3年目。高卒後、加茂市にある新潟経営大で学び、現在の職に。「大学時代に母方の祖父が亡くなって、葬儀に出席するなかで『仏』の世界に心を打たれ、何か関係するような仕事に就きたいと思ったのがきっかけでした」2人兄弟の長男。「いずれは家に帰ってこようと思っていました。だから会社にもその意思は伝えておいたんです。戻るということに全く抵抗はないです。雪が多いといっても好きなスノーボードもできるし、除雪体制もしっかりしているでしょう。ただ、地元でなくても周りにもう少し若者が働ける場がほしい。地元に残りたいという声を聞きます」
中越地震後、津南、十日町地域を回った。「倒壊した墓石の修復作業を行ったんです。秋山郷も回りましたね。お墓を直したら、おばあちゃんが『ありがとう』って涙を流して喜んでくれたんです。この仕事をしていてよかった、と思いました」ちょっとした目標が。「墓石ディレクター検定への挑戦と、結婚かな」