―八つがしら水栽培の鉢の中芽を出し背伸び自然の力―趣味で取り組んでいる短歌やエッセイを、思いを込めて小さな冊子にまとめた。「短歌の作品や趣味を拾ううちに、こういうものができたんです」77歳の喜寿を記念し、自分史ともいえる綴り集「歩み」を作成した。
「エッセイは、お母さんのひろばに投稿した今は亡き義母のことを『たまげたばあちゃん』として載せました。自分のやりたいことを精一杯楽しみすごい生涯だったと思っています。もう一度、当時のばあちゃんと語り合いたくて。そんなばあちゃんが、今もすぐそばにおられるような錯覚にとらわれます」90歳でありながら、家族4人の食事当番をし、草履などを自分で作り、野良仕事の裏方としてこ なしてきた。
「ばあちゃんから多くのことを学びました。そんなことから短歌をはじめ、宮苑書道会で書に親しみ、民謡、着付、文化刺繍、木目込み人形なども取り組んだんです」「歩み」には、「万歩計と生活あれこれ」と題し、体調を崩してから、歩くことによる健康づくりも記している。「趣味の世界を広げてくれた人と会ったことで、私の趣味人生に光が差し込むようになったと思います。今は、短歌だけにしがみついている感じですが」
52歳に退職するまで、小学校の教員を務めた。大赤沢、三箇、旧下船渡、そして地元の外丸で退職。「教員時代の思い出は山のようにあります。楽しく子どもたちと過ごさせてもらった地域への感謝を込めて、そんな感じです」