―きもの、それは一反の布の、限りない夢を誘う百花繚乱の世界。越後上布や明石ちぢみ、真紅の振袖などが次々に。「お客様から本当に喜んでもらえ、うれしいです。これまでのつながりから友人、モデルさん、スタッフなど多くの人に恵まれたから出来たんです。感謝しています」
経営する美容室の10周年に合わせ、マウンテンパーク津南で19日に開いたきものショー。モデル10人分の着付け、ヘアーコーディネイトなど、すべて自分で行った。「美容家として、自分の仕事を見てもらいたかった。それにきものの素晴らしさを表現したかったんです。10人の帯結びも、全部違う作品に仕上げたんですよ」
モデルのきものは、販売額にすると総額1千万円にものぼる。集まった百人余りから次々にため息が漏れた。「快くお貸し下さった方々に感謝しています。地元の扇踊会のみなさんの踊りも場を盛り上げてくれました。会場の気持ちがひとつになった、そんな感じを受けました」
誠意、熱意、勉強、そして前進がモットー。「お客様や仕事に対しての私の気持ちです。一時期、気持ちが後戻りしたことがありましたが、モットーを胸に、自分を奮い立たせた結果です」そもそもの出発点は結婚式専用美容室。「婚礼のお支度をしたい、お手伝いをしたい、という熱い気持ちは今も同じです。そうしたオールマイティな美容家としていきたいですね」80歳の母がいる。「きものショー、親孝行も含めて開きました」