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2006年08月の妻有に生きる


過去の妻有に生きる
山田 良欣生さん 20歳 株式会社ごはん
「やっぱり学校で学んだ農業と実践とでは違いますね。いつか、独立して米づくりに励むことが夢です」富山・立山町出身。県立中央農業高校を 卒業、ごはんに職を選んだ。昨年4月から取り組んでいる。「農業高時代に一度、実習でごはんにお世話になったことがあったので、その縁で来たんです。社長が社長ですから、厳しく教わっています。稲刈りひとつとっても、鎌の使い方など奥が深いと思っています」夏場は 米づくり、冬はモチの製造など、現場での実践で腕を磨く。

「学校で農業を学んだといっても農業の経験は全くなかったんです。どうせやるならと、農業の王道は米だし、米なら魚沼米だと思って、津南を選んだんです。今は自炊もしているし、これまで考えられなかった生活です」カモを使って水田を除 草するアイガモ農法の管 理を任されている。「もう四苦八苦です。というのも、カモが逃げてしまうんです。もちろん柵はしますよ。社長がするとほとんど逃げないのに、おかしいですよね。将来は自分も、こうした有機栽培、アイガモ農法などで米づくりをしたいです」自宅は農業とは無縁。 農地もない。
 「一人っ子なので、親は何かあるたびに里帰りを求めるんです。津南に取られるという思いがあるのかも知れません。津南では、周りから『早くいい人を見つけて、ここで農業をしろ』と言われるんです。はてさて、どうなることやら」最近、エレキギターを 買った。「まだドレミ程度。農業の腕と競争です」
(2006.08.25)

桑原真衣さん 津南中2年 津南町貝坂
「落ち着きがなく、うるさい」が家族の評価。そんな「うるさい娘」が、いわゆる弁論の場で真価を発揮した。「最優秀賞で名前を呼ばれた時、本当にびっくりしました。練習では、必ずどこかでつっかえていましたが、本番ではスムースに出来たんです。自分でも驚きです」
  第27回わたしの主張十日町・中魚沼地区大会で最優秀賞に選ばれ来月17日、県大会に出場する。「大事な所、強く訴えたい箇所はゆっくり話し、他は流すように話しました。県大会のレベルは高いので、積極的に表現できるよう、さらに練習したいです」。テーマは「働くことの大切さ」。津南病院での勤労体験をまとめた。社会問題化しているニートにもふれながら、「実 際に働かなければ得られ ない喜びや感動がある。ニートには働くことの大切な意味が分からないのでは」と主張した。「勤労体験では多くのことを学びました。看護師さんが『患者さんから「ありがとう」と言ってもらうと、この仕事をしてよかったと思うよ』と言った言葉が胸を打ちました。私は、将来は雑誌の編集といった仕事に就きたいと思っています。今回の勤労体験で得たことが実践できればと思います」
  ―「ありがとう」の一言は、こんな自分でも人 の役に立てるという自信と勇気を与えてくれます。また、温かい心が通い合う喜びも、少しですが理解できたように思います。―「体育祭の学年リーダー、バスケットの助っ人などと、とっても忙しいんです。落ち着きがないのが合っているのかな」
(2006.08.18)

大平雅也さん  19歳  津南町割野
「二十歳という年齢には、とくに実感は沸かないけど、就職してからは仕事や自分の行動に責任を持っているつもりです」。昭和61年生まれ。「スシ食いねェ!」とシブがき隊が歌ったのがこの年。アイドル歌手・岡田有希子が飛び降り自殺、後追い自殺続発というのも社会を賑わせた。「高校を卒業する時、迷わず、地元就職を選んだ。まあ、友だちも地元に残るということもあったし、なんというか、ほのぼのとした津南の雰囲気が好きですね」。国会では第3次中曽根内閣が成立。社会党委員長に土井たか子氏が選出、初の女性党首誕生した。あれから20年。
 「親は花づくりをしているけど、今の仕事が好きで楽しくやらせてもらっているので、跡を継ごうという気は今のところないです。でも、たまには手伝っていますよ。先ず目の前のことをちゃんとやっていくってことかな」。車のドレスアップなどに興味を持つ友だちが多い。好きな車の購入のため、貯金継続中だ。「中学では陸上長距離、高校ではサッカーに取り組んでいたので、来年あたり仲間とサッカーチームを作りたいと思っています。友だちの輪も広がっていくだろうしね」
 津南町の20年前というと、クアハウス津南や津南観光物産館がオープンした年。津南中吹奏楽部が関東大会に初出場したり、19年ぶりに町長選挙も行われるなど話題も多かった。「今回の町長選、面白かった。選挙権があれば投票したかったです。さっきも言ったけど、ほのぼの津南は変えたくないですね」
(2006.08.11)

田中京子さん 57歳 津南町中深見
「まだこの春から始めたばかり。でも、もう注文が来たりで大変です。手間賃までいかないですが、喜んでもらえればと」。姉が持ってきた手 提げカゴに「出会った」のがそもそもの始まり。「あんた、手先が器用なんだから作ってみたらと言われ、適当にやったのが始まりなんです。人に見せたら、私にも作って、といろんな人から言われて、今では直売市『よらねぇかい』にも出しています」。

カゴ作りは、教本もない。すべて自分で考えながら作っている。「同じものができないんですよ。注文者から『この柄と同じものを』と言われ、いざ作ってみると違っていたりして。一番難しいのが底を含めた土台づくり。そこをしっかり作れば、後はなんとかなります。『あと10aほど深いものを』とか、いろんな注文が来てうれしい悲鳴です」
地元の酒造から手づくりのものをと頼まれ、シソジュースを出したこともあった。「ちょっと売れすぎて、翌日に数十本追加、なんてこともありました。材料にちょっと工夫を凝らしたもので、それに大根漬けをさらに漬けると、これがまたおいしいんです」。アイデアが次々に浮かび、実際に行ってみる。「手づくりっていいですよ」
(2006.08.04)


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