「おばあちゃんが町のデイサービスで世話になったんです。それが、あまりにもありがたくて。それで、自分でも何かできることがあれば、と恵福園のボランティアに参加したんです。お邪魔ばかりで何も協力できませんが、それでもと」。オシメたたみから始めた恵福園ボラは今年で13年目。月1回ながらも隣接した 町デイサービスにも顔を出している。「車椅子生活で苦労しているにもかかわらず、みなさんとっても明るくて、笑顔で若い頃の話などよく聞かせてくれるんです。私の方が元気をもらっている感じなんですよ」
恵福園ではオシメから代わったタオルたたみやシーツ交換などを行う。午前中はデイサービス、午 後から恵福園に。「ちっとも気が利かないのに、みなさんから『ありがとう』とお礼を言われ、恐縮してしまいます。人の喜びが自分の喜びですね」
おばあちゃんが亡くなったのは15年ほど前。生前、毎週2回、送迎付で風呂に入れてもらったりしながら1日、ゆったりと過ごさせてもらった思いが今も脳裏に焼きついている。「デイサービスの日には、洗濯や掃除など、家の事ができ、ありがたさを実感しました。デイサービスがリハビリだとばかり思っていて、足が悪いおばあちゃんがリハビリ嫌いだったものだから申込みが遅れてちょっと残念でした」
今は夫との2人暮らし。子どもたちは東京に。「空いた時間は、押し花をして楽しんでいます。へたの横好きなんですが、今年も百枚ほどの年賀状に付けました」
家の近くには少しばかりの畑。「近所のお年寄りの家に、採りたての野菜を持っていったりするんです。喜んでくれてね、それがうれしいんです。デイサービスや恵福園ボラも、その笑顔が好きで止められないんです」