「何と言っても、元気な津南になってもらいたいからなあ」
突然の決断だった。婿に入った次男を呼び、「芸能グランプリに出るぞ」だった。
「どうせ出るなら、三世代で出ようと思ったんだ。たまげたのは女房だったが、『若い人が、この雪まつりを楽しんでもらえるなら』と了解してもらった。決して、俺が出るから出るというのではなかった。いやー、ありがたい」
出場は、裏方を含め9人になる。踊りやオモチャのヘリコプターなど、ちょっとした小道具見せ場もによるあるが、先ずは見てのお楽しみ。
「押付地内で開いた雪まつりでは、地元ということもあってヤキトリなどの屋台を出したもんだ。そんな思いがふとよぎったりもした。せっかくの雪まつりだから、たまには変わったことをしようやと思ったわけさ」
60代、30代、そして小学生。
「いい記念になる。三世代盛り上げ隊だ。そうそう『家族のど自慢』なんか開いたら面白いんじゃないか」
関東方面の出稼ぎ先から今月1日に帰ってきたばかり。
「大雪で明るいニュースが少ないなかで、とりあえずみんなで楽しめるものといえば雪まつりだろう。特に、若い人が楽しめる雪まつりになってもらいたいな。今回、そんなお手伝いが出来れば、と思っている」
コシヒカリの中でも特に食味がよいと言われる外丸地区。夏場は、その米づくりに励む。
「『農を以って立町の基と為す』の言葉通り、津南の自律に農業で頑張りたい。気持ちだけは、いつもそう思っているんだ」
歴史を刻む津南雪まつりは今回が30回目。スノーキャンドル大作戦などを盛り込んで、いよいよ4日に開幕。
「年寄りは歌を唄って健康に、子は仕事や趣味に精を出し、孫は元気に未来へ、そんな姿を出してみたい」