「行く予定だったんだけど、高校生の時から車に興味があって、早く車を手にしたかった。だから、専門学校に行く計画を止め、自分から頼んでこの仕事に就いたんだ」
今春、高校を卒業したばかり。社会人としての1年目を歩んでいる。
「車に触れていることが楽しくて仕方ない。休みの日もドレスアップなど車いじり。仕事も趣味も一緒といったところですが、鈑金、塗装という大事な仕事の腕をあげていきたい」
車体整備士には、
特に資格といったも のはない。それだけ に、信頼できる技術 がものをいう。
「技術が高ければ仕事は来るし、そうでなければ仕事は来なくなる、といつも言われています。資格が必要でないだけに、実力だけが求められる厳しい仕事だと思います」
部品の脱着、塗装の助手などが中心。一人前になるのに、年数の区切りはないと言われる。
「高校時代と比べ、やっぱりいろんな点で厳しさが違います。一つひとつ、しっかり身につけていきたいです」
仕事場には、事故などで壊れた車が次々に運ば れてくる。
「事故は起こしたくないなぁと、壊れた車を見るたびに思います。自分が注意していても事故に巻き込まれることもあるでしょうが、大切なことは、やっぱり止まるべきところはきちんと止まるなど、当たり前の運転をすることだと思います」
長男ということもあり、 地元での就職を選んだ。
「東京とか、他に行きたいとは思わなかった。家を継がなくてはという責任感もあったわけではないけど、津南で車関係の仕事に就くこと以外、考えはなかった」
当面の目標は、大型車の免許を取得すること。
「自分が信頼されるかどうかは、仕事で決まる。免許など基本的なところはしっかり取り、あとは腕を磨いていくこと。職場の先輩から学んでいます」