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2005年07月の妻有に生きる


過去の妻有に生きる
風巻 祐一さん 50歳  すみれ工房施設長
「正直、不景気で受託作業が減少傾向で厳しい。何といっても仕事を見つけたい、それがスタッフみんなの思いです」
  着任早々の仕事は福祉Tシャツの販売。県社会福祉協議会のオリジナルで、1着 (千5百円)販売で2百円の収入になるというものだった。
 「オリジナルプリントが付いたTシャツで、最初は利益を上げるため、プリントも自分たちでやろうか、と検討したんですが、洗濯ではがれやすいことが分かり、買ってもらうのに悪いのは出せないと専門業者にお願いしたんです。利益率は低いですが、本当に多くのみなさんから協力していただき、ありがたかったです」
 外に出かけては、名刺代わりに受託作業情報の提供を呼びかける。23年間勤めた特養老人ホーム恵福園からも簡単な整理作業など仕事をもらっている。
 「本当に呼びかけたい、ここでできる仕事があったらお願いしますと。入所者が毎日、喜んで来てもらえる施設にしていくことが大事。何かあったら、できる仕事かどうか相談させていただきたい」
  わずかな収入だが、それに追い討ちをかける事態が訪れようとしている。障害者自立法案がそれ。今国会で成立すると、来年1月から実施される。障害者へのサービス利用 が原則1割負担となる。
 「具体的に津南町ではどうなっていくのかというと、まだ分からないのが現実。ただ、サービスへの負担が増えるということははっきりしている。関係者のなかには『障害者自立阻害法』だと怒る人もいます。現場にいる私たちにとっても辛いことですね。ただ、もし法案が成立したとしても、今まで以上によい環境をつくっていかねば」
  8月20日は恒例ふれあいデー。
 「入所者との交流の場です。多くの人たちから足を運んでもらいたいです」
(2005.07.29)

江村 きよみ さん  39歳  津南町・綿屋商店
「ユニホッケーに反対だったお父さんが、今では目の色を変えて参加したり、子どもたちの参加が回を追うごとに増えたりと、本当に有意義なクラブになっています」
  津南町が、子どもたちの体力づくりの一環として実施している「さわやかスポーツ」で体験したユニホッケーの継続をと、今年4月にクラブを立ち上げ、週1回の練習に取り組んでいる。
 「初めは、楽しむだけが趣旨だったのですが、今は欲が出て11月の町の大会で活躍し、全国大会をめざそうという大きな目標ができました。十数人で始めたクラブも、今は30人以上が参加するまでになっています。全校54人ですから、すごいですよね」
  特徴は、学校はノータッチ、地域だけで運営している点。
 「当面の目標は、上郷に追いつけ追い越せでしょうか。夏休み期間中は、週2回の練習に増やす予定です。今では、高学年が低学年を指導して行くようにしています。こうした活動が、学校でもよい効果を挙げているようです」  毎回の練習に、保護者の姿も増え、一緒にゲームを楽しむようになっている。親だけのチームも可能となってきた。
 「このスポーツは、自由で無理のない運動によって健康的な生活を高めていこうとするノーマライゼーションに役立つといわれています。その通りだな、と強く感じますね。参加者だれもが、楽しくて楽しくてしょうがないといったところです」
  「やったー、ゴールだ」「こっちにパスを出して」。大きな声が体育館に響く。子どもたちは大粒の汗がいっぱい。
 「学区の中から青年指導者を呼ぶこともできました。私たち保護者も周りに負けず、審判の資格を取ろうと張り切っています。後は体育館の窓に網戸を入れてもらうことかな。夏場でも、虫が入るので開けられないんです。校長、お願い」
(2005.07.22)

津端 智鶴子さん  43歳  津南町森林組合
「びっくりするほどお米も野菜もおいしく、伊万里より津南のほうが断然勝っています。このままの津南でいいと感じています」
 津南町に住んで17 年目。来年、18年間住んだ伊万里時代と 同じになる。
 「結婚する前、親から言われたんです、雪が1bも積もるような所に行ってはだめだと。とても、1bばかりではなく、3bも4bも積もるんだよとは言えなかったです。もう、すっかり津南人ですよ」
 自宅は、伊万里焼 の工場が並ぶ地域だった。
 「朝、学校に行く時、工場に勤める大勢の人たちとすれ違いながら通っていましたね。母はそんな工場のひとつで絵付けをしていましたが、私は焼き物をしたとか、そういう経験はありません。学校で習ったとかいうこともなかったですね。今は、家で少しは安物の伊万里焼も使っています」
 職場では、きのこ部の事務。津南町の特産品では最も生産額が高い部門での一端を担っている。9年のベテラン。
 「とてもベテランなどとは言えません。もっと大ベテランが多くいますから。それより、水がいい津南で育つおいしいキノコを、もっともっと全国の家庭で食べてほしいと思いますね」
  ナメコをはじめ、シイタケ、マイタケ、エノキ ダケが主。
 「生産者の気持ちが伝わるような津南産キノコです。できれば、伊万里焼の食器にキノコをあげて食べてみたら、なんて思ったりもしたこともありました。津南と伊万里を結ぶ、なんて、ちょっとむりがあるかな」
  昨年、正月休みに合わせ、家族で九州旅行を楽しんできた。
 「津南に来たばかりの頃は、子どもたちが遊べる場や大型のショッピングセンターなどがほしいと思いましたが、すくすく広場もあるし夜遅くまで開いているショッピングセンターもあるし、あとは、いかに元気を出していけるか、でしょうか」
(2005.07.16)

島田 慎一さん  30歳  島田木工
「和太鼓を打ったとき、ズシンと体の奥に響いたんだ。それが忘れられなくて、心に残っている」
 伝統の秋山太鼓を今に伝える山田英治さんらからの勧めで、昨年から夏まつり前になると指導を受けている。今年も町文化センターで先月から不定期ながら取り組んだ。
 「正直、体力がいると実感した。『フィーリングでたたけ』と言われるが、それが簡単ではなくて。昨年の津南まつりで、少しだが太鼓を担当した。今年も声がかかるか分からないが、少しずつでも腕が上がれば、と思っている」
 東京のガラス卸会 社から、Uターンして5年目。家業の木工所に。
 「本当は量販店などバイヤーになりたかったが、先に仕事が見つかったガラスの卸業者に入ったのが運のつき。今はまだ『一従業員』としている」
 アルミサッシや建具を中心とした現在の仕事だけに、ガラス関係の経験は生きている。
 「ガラスをなめてかかると大変なことになる。本当によく切れる。俺も左手中指を、もう少しで動かなくしてしまうといった経験もした。面倒、思い、危険といった仕事だよ」
 和太鼓は、そんな仕事を通して、町商工会青年部の活動から「出会った」。
 「『誰か、秋山太鼓をたたいてみたい人はいないか』、そう言われたんですよ。特に興味があったわけじゃないけど、和太鼓をたたける機会など、そうあるわけじゃないなと。たたいてみて、いやあ、奥が深いのには参ったという感じだ」
 指導の山田さんらの期待をかけられている。
 「伝統を守ってやろうとか、そんな重い気分ではできない。熱心に指導してもらっているので、やれるだけやってみようってとこかな。同年代の仲間と2人で取り組んでいるので、何とか半人前でもいいから続けたいとは思っている」
(2005.07.08)

名地 智子さん 32歳  津南町陣場下
「中学から大学までずっとバレーボールに取り組んできたんです。へたで、いつも怒られ役だったですね。十日町高時代は、たっぷりしごかれ、でも地区大会で優勝した経験があります。この4月からママさんバレーで復活です。ぜひ津南のチームが全国大会に出られるよう、足を引っ張らないようにしたい」
 出身は津南町反里。現在の小千谷西高は7年目。専門は公民 科。寺泊高、栃尾高定時制に続いての勤務だが、一貫してバドミントン部の監督。
 「もともと体を動かすことは好きだったから抵抗はなかったです。自分ではできなかったけど、いろいろ勉強してバドミントンについて学びましたね。小千谷市などはバドミントンに熱心で、ジュニアからの育成が実っています。津南でも頑張っているようで、ぜひ成果を挙げてほしいですね」
 そのバドミントン部の 生徒、中越大震災の時、 真っ先に電話をくれた。
 「ちょうど、産休に入ったばかりで、地震のときは津南にいたんです。私から生徒に電話しなければならないのに、生徒の方が先に『先生、大丈夫』と電話をくれて、大感激でした。地震で生徒たちは家族とのきずな、地域とのふれあいなど、本当に多くのことを学んだようです。地震が生徒を成長させてくれました」
 全国出場が合言葉の苗 場クラブ。キャプテンの増田純子さん(39、段野 団地)は、県バレーボール協会の理事に推挙されるなど、バレーの津南として名は広がっている。
 「久しぶりの選手。春の大会では優勝した六日町と大接戦の末に敗れてしまったので、次はリベンジです。県下に『津南にママさんバレーあり』と広めたい」
  バドミントン、バレー、そして家庭では2児の母。「みんな家族の協力があってできること。感謝しています。親仲間でよく話がでるのですが、近くに子どもたちがのびのび遊べる公園がほしいです」
(2005.07.04)


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