「やっと腰が落ち着いて来た。仕事をしっかり覚えていくことが今の自分に求められていること。ちょっとは慣れて来たってとこかな」
家業を継ぐためにU ターンして4年目。忙 しい毎日を送っている。
「今は住宅などの建築現場に金具などの配送を中心に、町内外を回っているのが主な仕事。建築資材ひとつをとっても、細かで種類もいっぱい、経験が必要だとつくづく感じている。仕事を通して覚えていくしかない」
高校卒業時は保育関 係の仕事に就きたいと思っ ていたこともあった。
「自分の性格かな。しかし、『就職先は少ないぞ』などと言われて断念したけど、今から思えば男性の保育師が増えていた時で、仕事は結構あったのでは思う。まあ、今になれば仕方ないけど」
そんなことから選んだ専門学校は宝飾・装飾の分野。
「細かな手作業の世界。好きな分野ではあったけど、これを仕事にしていかれるのか不安や疑問はあった。今では趣味としてアクセサリーづくりを楽しんでいる」
銀が混ざった粘土を材料にオブジェを作りバーナーで焼く。すると、粘土は燃え、銀だけが残って鈍く光った装飾品となる。
「まだ人に見せるほどのことはしていないけど、数を増やしながら、いずれはどこかで展示でもできたらいいなあと思っている。仲間もほしいところだ」
津南町商工会青年部、大割野商協、そして地元消防団と、3拍子そろった「勧誘」を受け、それぞれで活動している。
「最初は『嫌だなあ』と思っていたけど、入ってみれば結構、楽しい。まあ、面白くない会合もあるけれど、友だちも増えたし、何より『地域の顔』が分かるようになった。仕事を通して地域を知り、学生時代には分からなかった津南を感じている」