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2005年06月の妻有に生きる


過去の妻有に生きる
樋口 克久さん 49歳 清津峡ホテルせとぐち
「ホタルというのは、自然環境の良さをアピールできる要素があります
よね。ホタルがいっぱい生息するところで生産される魚沼コシヒカリとか、いろんなイメージを膨らませることができるのでは。ぜひホタルの里づくりを進めていきたい」
 10年以上前から行われている中里の「ホタル観察会」。その場所が、自宅の目の前。今年も10日頃から飛び始め、今では百匹余りの乱舞が見られる。
 「農家の農薬に対する意識も高まり、自然環境はよくなってきたと思う。こうした時に、地域のどこでホタルが飛び交っているか調査し、そのマップを作ってみようと話が進んだんです。呼びかけに、13人ほどのメンバーがそろいました。これから1ヵ月ほどかけ、調査します」
 日本ホタルの会の会員。代表の矢島稔さんとは4年ほど前から親しくしており、交流も深まっている。。
 「ホタルを通して、いろいろなことを学ばさせてもらっています。ホタルは、人間の生活圏から遠からず近からずのところに棲むんですね。ですから、人間が、ちょっと棲みやすくしてやれば、ホタルはすごく増えます。ホタルが増えることで、まちの自然豊かなイメージがぐんと高まるのではないでしょうか」
  注意点もひとつ。
 「車で生息地に近づいて、車のハザードランプを点滅する人がいますが、平家ホタルは近づいてくるけど、源氏ボタルにとっては生態系を壊すもとになっている。オスの求愛の光より強く、メスが反応しなくなってしまうんです」
  マップは来月下旬に完成 予定。
 「とりあえず、地元の中里地区だけだが、この輪がこの地域全体に広がっていけばと思う。生活圏は一体なわけだから。地域全体でホタルの里づくりを進めたい。それが農業や観光面に生かされれば、と思う」。
(2005.06.24)

月岡 久幸さん 74歳  津南町大割野
「道が悪かったり、車の性能も良くなかったりしたせいもあるが、若い時からスピードを出したいなんて思ったことはなかったな。事故を起こしてからでは遅すぎる、とにかく自分のために考えて運転してほしい」
 普通免許を取得したのは昭和28年、23歳の時。知人の紹介で東京・警視庁で一発取得。
 「地元の河原などで工事のトラックなどに助手として乗り、仕事を兼ねて練習したんだ。その後、運送会社で助手の仕事もしたが、その時、調子が悪くなったエンジンをばらして部品交換したりしたので、車のことはほとんど分かる。いい経験になった」
 越後交通の前身、中越バスに臨時として入ったのが昭和34年。1年間、研修を積み、翌年から定期バスなどの運転手に。30歳の時だった。以後、退職する58歳まで無事故で務めた。
 「1度だけ、怖い思いをしたことがある。運転手になって5年ほど経った頃だった。栄村の山間部で定期バスを運転していた時のこと、下り坂でブレーキをかけたらピンという音と共にブレーキが全く効かなくなり、危険回避のため田畑に乗り上げて止めたということがあった。板バネの破損によるものだった。もう少し先が急坂になっており、そこまで行ったらどうなったか分からなかった」
 バスの運転手を引退後、スイミングスクールの運転手も10年務めた。もちろん無事故。最近、運転していて特に気になることがある。
 「交差点などで、曲がる直前にウインカーを出す車が多くなったような気がする。これは危ない。早目の合図を心がけてほしい」
  無事故、無違反50年か らの眼だ。
 「マイペースが一番。越されたっていいじゃないか。大したことじゃないよ。スピードさえ出さなければ、ほとんどの危険は回避できるはずだ」
(2005.06.17)

池田 由香さん 33歳 ベルナティオ
「津南の四季は本当にすばらしい。でも今年の冬は、余りにも『強調し過ぎた冬』だったですね。今年はできなかったけど、来春は山菜採りに挑戦します」
 埼玉県志木市出身。東京電力に勤める夫の関係で津南に。夫の仕事先でもあるベルナティオに臨時で勤めている。
 「ずっと英会話を趣味にしていたので、広報で知った地元の英会話教室に入らせていただきました。楽しく教室に参加させてもらっています」
  昨秋、秋山郷を訪ねた。
 「紅葉がすごくきれいでした。津南に来る前は社宅があった杉並区に住んでいて、都内から出たくないと思っていたんです。正直、いやいやながら津南に来たのですが、この自然には参りました。すっかり津南ファンになりました」
 海外旅行も楽しみのひとつという行動派。そのための英会話というわけではないというが、趣味が生かされている。フランス、イタリア、ギリシャ、エジプト、メキシコ、ハワイ、フィジーなどなど。
 「もう、どこにも行きたいです。先ずはカナダかな」
 友人も津南に招く。また家族もベルナティオに招待、一緒にゴルフを楽しんだ。
 「喜んでもらいました。こちらの良さを分かってもらえれば嬉しいですね。都心から離れたくなかったという気持ちが変わってきたのが分かります」
 海外を見て、都内に住んでいた生活から一転。津南にほしいものは?
 「あえて言わせてもらえば、ショッピングセンター的なものがほしいし、もっと多様な習い事があればいいと思いますね。習い事は、子どもたちから大人まで楽しめ、成長させてくれるからです。津南を好きになったついでに、これからもっと友人をつくり、自分なりにもっともっと輪を広げていきたいです」
(2005.06.10)

風巻 努さん 26歳 かねと商店
「やっと腰が落ち着いて来た。仕事をしっかり覚えていくことが今の自分に求められていること。ちょっとは慣れて来たってとこかな」
  家業を継ぐためにU ターンして4年目。忙 しい毎日を送っている。
 「今は住宅などの建築現場に金具などの配送を中心に、町内外を回っているのが主な仕事。建築資材ひとつをとっても、細かで種類もいっぱい、経験が必要だとつくづく感じている。仕事を通して覚えていくしかない」
  高校卒業時は保育関 係の仕事に就きたいと思っ ていたこともあった。
 「自分の性格かな。しかし、『就職先は少ないぞ』などと言われて断念したけど、今から思えば男性の保育師が増えていた時で、仕事は結構あったのでは思う。まあ、今になれば仕方ないけど」
  そんなことから選んだ専門学校は宝飾・装飾の分野。
 「細かな手作業の世界。好きな分野ではあったけど、これを仕事にしていかれるのか不安や疑問はあった。今では趣味としてアクセサリーづくりを楽しんでいる」
 銀が混ざった粘土を材料にオブジェを作りバーナーで焼く。すると、粘土は燃え、銀だけが残って鈍く光った装飾品となる。
 「まだ人に見せるほどのことはしていないけど、数を増やしながら、いずれはどこかで展示でもできたらいいなあと思っている。仲間もほしいところだ」
 津南町商工会青年部、大割野商協、そして地元消防団と、3拍子そろった「勧誘」を受け、それぞれで活動している。
 「最初は『嫌だなあ』と思っていたけど、入ってみれば結構、楽しい。まあ、面白くない会合もあるけれど、友だちも増えたし、何より『地域の顔』が分かるようになった。仕事を通して地域を知り、学生時代には分からなかった津南を感じている」
(2005.06.03)


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