「『今日の給食おいしかった。どうやって作るの?』『レシピを見せて』、生徒からこんなふうに言われるとうれしいですね。すごい励みになります」
県学校給食調理コン クールで一昨年、最優 秀賞を受賞した志田中 栄養士と村山政幸総合 監督のもとで、中学生 徒の給食づくりに取り
組んでいる。女性5人 の調理員のキャップ。
「気の合ったメンバーです。メニューは魚や肉、サラダ、汁物など部署ごとに分かれているので、それぞれがまとまった時に味の濃さなどが別々になったのではおかしいですよね。お互いに声を掛け合いながら取り組んでいます。自分たちのことは二の次、まずは生徒のことを考えて作ってます」
専用の石けんや消毒液による手洗い、センサー式の水洗はじめ、部署ごとに白
衣を着替える。白衣の洗濯は毎日。清潔には気を配る。
「とにかく気をつけなければならないのが食中毒。津南町の中学生全員と先生の分など四百食余りの給食を毎日作っていますからね。気を抜けないです。何もなくて当たり前、縁の下の力持ちの仕事だと思っています」
調理員の仕事は、9年前の津南小時代から。下処理、調理室、サラダ室など、徹底した部署別の作業に戸惑ったが、ようやく慣れた。
「時々、イチゴなど個別につけるデザートやおかずの数を間違えたりして『足りません』などとひんしゅくを買ったりしていますが、愛嬌だと思って下さい。それ以上に心を込めていますから」
明るさが取り柄。食べ物 は、作り手の心が反映する。
「栄養士、総合監督ともに、信頼できる上司。練りゴマはしっかり手でと、なかなか志田栄養士は手づくりにこだわるんですよ。化学調味料は使わず、ダシは昆布や削り節など、作る方は大変ですが、気持ちは分かります。ですから私たちもそれに応えるんです」