一面の銀世界。その中に、すっぽりと埋まっている2棟のパイプハウス。中にはすっくと伸びた葉。土と緑の世界が広がる。
「心が和む瞬間だ。冬場、空いているハウスを活用できないものかと思っていた時、たまたま知ったのが、このオータムポエム、通称アスパラ菜栽培だったんだ。昨年、試作してみて、よし行けるぞ、と自信を持った。昨年は子どもが通う地元の小学校や保育園にプレゼントした。喜ばれてうれしかった。今年から本格的に出荷している」
冬場の生産。特徴は、ハウス内の自然温度で栽培していること。種から育てた苗を昨年11月中旬に定植。
今冬は寒かったせいで、予定より1ヵ月遅れの1月中旬から今月下旬までほぼ毎日、出荷を続ける。ホウレンソウや小松菜などより価格が高く、冬場の仕事としてちょうどいいと言う。
「ハウスはユリの栽培に使っているもの。肥料をかなり使うので、土に肥料が溜まり、過剰害を起こしやすくなっている。その解消にもなる。冬場はハウス除雪のため働きに出るわけにも行かず、仕事としてはバランスがいい」
津南に住んで9年目。昨年11月に新居が完成、借家住まいから一転。
「農業にかける姿勢でもあるんだ。ここで、しっかりやっていくぞと。今まで、規模拡大よりも、失敗を少なくしようと頑張ってきた。失敗を少なくすることで生産性が上がるからだ。それに年々、規模も増えている。でも、もう少しのんびりやっていきたいという思いもある」
ユリの切花と米づくりが 中心。ユリは年間4万8千 本、水稲は1・7f、それ に受託3f。今年は受託が さらに増える予定だ。
「冬場のオータムポエムづくりをうまく軌道に乗せ、冬でも仕事ができる農業に挑戦したい」