「子どもたちの発想は本当に豊かだ。こうした子どもたちと付き合っていけることができて、力をもらっている」
昨年、県発明協会から発明振興功労賞を受けた。十日町少年少女発明クラブの指導者10年の実績からだ。その道は今も続く。
「興味のある中魚郡市内の子どもたちが集まってくる。今は小学生3、4年を中心に40名ほど。かつては中学生も参加していた時があった。科学の専門教材があり、模型づくりのように組み立てたり、身の回りの不要品を活用した遊び道具づくりなど、みんな、楽しみながら取り組んでいる」
同クラブは十日町中学校の一室を会場に、冬場を除く毎月1、2回開いている。
「専任指導員というのが肩書き。管内小学校の理科主任ら12人余りの教諭から手伝ってもらい、年間を通した活動プランを立てている。十日町クラブの歴史は県内で最も古く、こうした形での活動は模範となっているほど。絶やすことなく継続させていきたい」
60歳まで教職の道に。小学校教諭時代、特殊学級での指導も経験している。
「特殊学級を指導する資格を持っている関係で、今も田沢小の特殊学級や、津南町のことばのキャッチボールなどに頼まれて参加している。なじょもんからも子どもたちを対象にした理科教室を頼まれ、おかげで、自分の時間を持てないほど、忙しくさせてもらっている」
郡市内から毎年のように、県を代表する作品が生まれる発明工夫模型展。その審査員でもある。
「本当にすばらしい。子どもたちの豊かな発想を、自由に伸ばせる環境を作っていきたいものだ。そのためにも地域の理解と協力が必要です」
長年の経験を生かし、昨年夏から農と縄文体験実習館なじょもんで子ども対象にした教室も開いている。
「今年は大雪で、子どもたちが集まらなかった時もありましたが、よりよい方法を考えながら、子どもたちが楽しみながら理科、科学を学べる時間を設けていきたいと思っているので、ぜひ参加してほしいです」
身近に、科学に親しめる環境がある。
「科学の面白さ、その取り組む子どもたちの目を、ぜひ見てほしいですね」